職場を変えなければ収入が上がらないホテル業界
業界内の転職が多い
華やかなイメージがあるホテル業界ですが、実は飲食業界と同様に50%以上の高い離職率を出している業界でもあります。イメージと違いすぎる高い離職率に驚いてしまいますが、離職率が高い背景にはホテル業界ならではの理由があります。
ホテル業界ではキャリアアップを目指すのであれば、違うホテルに転職するのが一番の近道です。転職といえばマイナスのイメージが強いため躊躇してしまうことが多いのですが、ホテル業界の場合、今よりももっと良い仕事をしたいと思ったら違うホテルに転職するケースが多いため、他の職種に比べて転職のハードルがずっと低くなっています。そのため、人間関係が悪かったり社風が合わなかったりといった場合も「キャリアアップのため」と前提をつけてしまえば簡単に転職することができます。
しかし、ホテルからホテルへの転職はハードルが低いのに比べて、ホテルから他の職種へ転職しようとした場合は難しいことも多いのでホテル業界内での転職に比べて時間がかかります。
給与のアップが望めない
ホテル業界では他の職種のように勤続年数によって給与が上がるわけではありません。同じホテルで働く限り、ポジションがアップしなければ基本給が変わることはありません。給与をアップするためにはポジションをアップさせる必要があります。しかし同じホテルでずっと働いていても、上の役職が空かなければそのポジションにつくことはできません。ポジションが空くまでは数年、場合によっては数十年待つことになるでしょう。そうまでして同じホテルで働き続けることに意味はありません。給与アップ、ポジションアップを望むのであれば同じホテルでずっと働くのではなく、違うホテルに転職することが一番の近道でしょう。
ホテル業界が人手不足といわれる所以にはこういった背景も関係しているかもしれません。適度なスキルを身につけたら給与アップを目指して転職を視野に入れるようにしましょう。
また、ホテル業界はヘッドハンティングも多い業界です。人手不足に悩んでいるホテル業界にとって優秀な人材は引く手数多なため貴重な人材になります。その貴重な人材を手に入れるために、ヘッドハンティングの交渉の場では好条件を提示されることも少なくありません。基本給が上がらず、給与のアップを望みにくいホテル業界ですが優秀であれば高い給与を手にすることが可能になります。
これらのことからも、ホテル業界にとって離職率が高いということは必ずしもマイナスになるとは限らないのです。